エンターテイナー・アモルのカレイドスコープ

AWsの代表、エンターテイナーであるメリーさんのアモルが万華鏡の如く感じたことを書き綴る

【steamセール商品特集第二弾】WILL-素晴らしき世界-【手紙の順番を入れ替えて因果を書き換えてより良い未来を探すパズルADV】

 steamセール商品特集、第二弾は『WILL-素晴らしき世界-』(以下「本作」)です。steamセール商品特集は、steamセールの対象になっている商品のうち「何を買えばいいんだろう?」と悩んでいるあなたに商品をお勧めする記事です。

スクリーンショットはスイッチ版のものになっていますが、ゲーム内容は同一なので許してください

概要

 本作は「困った事が起きた時は女神様に手紙を書いて深夜に祈れば助けてくれる」という都市伝説が存在している世界。

 物語は、主人公の(ユアン)という少女は、記憶喪失になってしまったところから始まる。犬にしか見えないイシは、「ボクたちは神様なんだ」と言い、困った人から届いた手紙を読んで助けてあげるのが役目だと言う。

 願は、イシに言われるがまま、手紙を読んで人々の願いを叶えていく。

 物語は手紙を読んで願いを叶えるパート(以下「手紙パート」)と神様二人のパート(以下「神様パート」)によって構成されている。ゲーム中の比重としては手紙パートが圧倒的に多く、神様パートは時折挟まる程度であるが、物語としてメインの筋はあくまで神様パートである。(ゲームとしてのメインの筋は手紙パートだ)

手紙パート

 手紙パートでは、願が人々の願いを叶える過程を体験できる。手紙パートのメイン画面は画面の上に手紙の差出人の一覧、その下にフローチャートが表示される。そしてフローチャートの手紙の部分にはそのシナリオの評価が表示される。評価については後述する。

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 左下のポストから手紙を受け取ると画面上のフローチャートに手紙が追加され、そこを選ぶ事で手紙画面に映る。

 

 手紙画面では手紙の内容をいくつかに分割したものが表示される。

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 この分割し動かせる部分をブロックと呼ぶ。上の白い四角二つがそれだ。これを動かし位置を変える事で、起きたことを変えることが出来る。

 このスクリーンショットの手紙は一番最初に触れることになる手紙で、簡単に言うと、鍵を無くして家に入れなくなった少女のお話だ。鍵を無くしたのはテニスコートで練習して帰り際で、テニスコートの照明が消えてしまったのが気付けなかった原因である。さて、このスクリーンショットを見ての通り、

「チラチラと照明がちらついて、突然消えた」

「私はボールを拾い終えると、テニスコートを離れ、来た時に通った路地へ向かった。」

という繋がりになっている。

 もう分かっただろうか、「チラチラと照明がちらついて、突然消えた」の方を路地に向かった先においてやれば良い。すると、

「私はボールを拾い終えると、テニスコートを離れ、来た時に通った路地へ向かった。」

「チラチラと照明がちらついて、突然消えた」

 となり、彼女がテニスコートに鍵を忘れることはなくなる。

 各手紙の結末にはSからCまでの評価と、×(BAD)に分かれていて、基本的にSの結末を迎えるように編集していくことになる。

 今回は二つしかブロックがないので簡単だが、どんどんも増えていく。

 もう一つほぼ冒頭の手紙を紹介する。

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 これは練炭自殺を試みる男の手紙と、怪しい男に付きまとわれている少女(さっきの少女と同じ人物)の手紙だ。このように二つの手紙を同時に処理する必要があるときもある。

 今回は、少女が助けを求めた部屋の鍵がかかっていて困っていて、また、練炭自殺しようとしている男は綿密に施錠確認をしたせいで自殺に成功してしまうので(男の願いとしてはそれも一つの結末な気もするが、ゲームとしては生存させる事が求められる。何せここはまだ冒頭、この男はまだこの先に色々なことに関わるのだ)、というわけで、

「ドアノブに手をかけると、施錠していないのがわかった。」

 というブロックを右の少女の方に移動させると、少女は部屋の中に逃げ込めるし、男は施錠チェックを怠ったことにより、自殺に失敗する。

 これまた今回はチュートリアルなので結末はそれぞれ二つ(SとBAD)しかないが、実際にはあちらを立てればこちらが立たず、と苦しむことになる。結末は別々に評価されるので、片方Sで片方BADという事も起こりうる。もちろん、同時にSにする事が求められる。

 

 さらに物語が進むと、ブロックの移動に少し制約がつくようになったりもして、どんどんパズルっぽくなっていく。(順番が決まっていたり、片方の側にしか移動させることができなかったりと、様々である)

 

ここが面白い

パズルによるストーリーの変化

 パズルのように文章のブロックを組み替える事で事象を操っていく。それにより様々に変化し派生するストーリーが面白い。

 基本的にはSを目指すことにはなるが、Sランク以外から派生する未来も時折存在し、それらが他の人物に影響を与えたりもする。

バタフライエフェクト

 バタフライエフェクトとはカオス理論に関する寓話で、「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」という例え話であるが、一見無関係に見える登場人物達が思わぬところで絡んだり、影響を起こしたりする。これらの手紙は全て同じ時間軸上にあるわけではなく。また、過去の手紙の結末を後から変更する事もでき、それらによってフローチャートや物語に思わぬ変化を及ぼすのが楽しい。

神様パートが気になる

 神様パートは単に手紙パートのための理由づけの物語ではない。神様パートこそが物語の本筋なのである。時折挟まれる謎に、神様パートもやがて気になってくるハズ。選択肢によっては冒頭チュートリアルの時点から不穏さを感じる人もいるだろう。

気軽

 一手紙ごとのエピソードは短め。まぁたまに全然パズルが解けなくて沼るけど、ADVとしては気軽に手を出しやすい作品だと言えると思う。

ここが難点

各キャラクターのラストエピソードに納得がいくか

 エンディングはなんというかビターなものが多く、抱えている問題を解決できないまま終わってしまうキャラクターさえいる。ハッピーエンドを求める人にとってはもちろん、「え、これで終わりなの?」と消化不良感を起こす人もいるのも間違いないだろう。私もとあるキャラクターのストーリーだけはいくらなんでもこれはないだろうと思ったりした。先程チュートリアルで触れた少女も最終的にはかなりビターな終わり方をする。この辺が耐えられないと、いかにゲーム体験が楽しくても最後の最後で裏切られたと感じてもおかしくはない。

神様パートの終わりも一本道でビター

 それでも、手紙パートはあえて道中でラストエピソードに繋がらない展開に持ち込んだりしてプレイヤーなりのハッピーエンドを探す事も不可能ではない(結局消化不良で終わるが)。しかし、神様パートはパズルもフローチャートもないので、分岐は一切ない。しかし、エンディングはビター。物語としては不可能だと思われていた事象がようやく達成され、救われないと思っていた存在を救う事ができた。という展開なので、物語の着地点は自体に問題はないのだが(手紙パートのエンディングの中には着地点にさえ疑問が残るものがあるので)、その救われた人物はその救いに犠牲が伴うとは知らずに救いを受け入れる。そしてその人物が去った後、騙したことを一人で詫び、犠牲になる。という終わり方になる

 綺麗に終わらせてはいるが、悪く言えばその犠牲になった人物の自己満足のような終わり方で、救われた方も後で騙されたことに気付き、悲しむことは明らかだ。他に手はない事は何度も強調されているが、それがそのシナリオ展開に納得感を生み出すかというと、そういうものでもないだろう。

まとめ

 物語の結末には一抹の不満が残るが、独特の要素を持ったこのADVのプレイ中の経験はとても楽しいものだ。是非、過程を楽しんでほしい、と思う。

WILL:素晴らしき世界|オンラインコード版

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