エンターテイナー・アモルのカレイドスコープ

AWsの代表、エンターテイナーであるメリーさんのアモルが万華鏡の如く感じたことを書き綴る

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【レビュー/感想】劇場版 光のお父さん【FF14を知らなくても、ドラマ版を見てなくても、書籍版を読んでなくても、楽しめるオンラインゲームを題材とした父と子の家族ドラマ。オンラインゲームを知らない貴方にこそ見て欲しい】

 この記事を書くか悩んでる間に見た日からめっちゃブランクが空いてしまった。だってこの作品の原作はブログな訳で、となると原作者様はブロガーな訳で、絶対エゴサしてるじゃん!(ブロガーに対する偏見) でついでに言うと、私も、一撃確殺SS日記*1は時折読ませてもらってるし、そんな方にもしこの記事を読まれたら恐れ多い。(エゴサする人は面白くなさそうな記事でも自身と関係しているなら最後まで読みがちだ。これも偏見)

 のだが、そんなこと言っていると、恐らく、あらゆる作品の関係者は自身の作品をエゴサしていると思われるので(第三次偏見)、考えないようにしようと思う。*2

 さて、前置きはこの辺にして、本題に入っていこう。

 

 

 今回は「オススメ編」と「感想編」と分けて話をしようと思う。前回のオススメ記事はその辺が混在してしまい、自分でもどうかと思ったので。既に映画をご覧になった方は感想編に飛んでいただき、まだの方はオススメ編を読んでから、自分の目で確かめていただき、感想編に戻って来てもらえると嬉しい*3

 

 

読者の方へオススメ編

光のお父さんとは?

 『劇場版 光のお父さん』は、無口で無愛想で何を考えてるのかよくわからない父の本音を聞き出すため、オンラインゲーム『FF14』を遊んでいる息子が、父に『FF14』を勧め、息子であることを隠して父のキャラクターと共に冒険し、強大なボス「ツインタニア」を倒したところで正体を明かそう、という計画を立てる。(この計画を『FF14』のプレイヤーキャラクターが「光の戦士」と呼ばれることから、「光のお父さん計画」と呼ぶ)という物語である。

 さて、劇場版、とつくからには、劇場版でないものが存在する。劇場版までの流れを簡単にまとめると、ブログの記事が1番の原作であり、その書籍版があり、ドラマ版があり、劇場版に至る。これらは全て媒体を変えただけのものであり、ドラマ版を見てないから劇場版を見ても分からない、と言う事はない。

 むしろドラマ版や書籍版を読んだことのないと言う貴方こそ、この劇場版を見て欲しい

 何故そう思うかは次の項目にて説明する。

ドラマ版との違い

 ドラマ版は原作に対してかなり忠実に作ろうとしていて、どちらかというとドキュメンタリー寄りの内容なのだけれど、劇場版は、ストーリーラインにエンターテイメント作品として様々な手が加えられており、とてもとっつきやすくなっている。念のため補足するが、ドラマ版がつまらないということは全くない。ただ、劇場版の方が短く面白くテンポよくまとまっているので、入り込みやすい、と言うことである。

FF14』を知らなくても楽しめる?

 当然この映画を見るか悩む時、最大の問題点はここではないだろうか?

 結論から言うと、知らなくても全く問題ない。本編内で理解が必要なことは大体物語の中で説明が入るので、理解に困る事態は基本的にない。ゲーム用語も基本的に使われないようになっているので、そもそもゲーム自体が分からないという場合でも大丈夫。(ワンシーン、セリフとしてではなく背景に文字として出てくるシーンがあるが読んで理解する必要があるシーンでもないので問題はない)

 物語の肝はあくまで親子の物語であって、『FF14』は乱暴にいえば舞台装置に過ぎない。マイディ氏はこれを機会にオンラインゲームや『FF14』に興味を持って欲しいと思っているようだ。なので、この作品は以下のような人にオススメできる。

・家族物語、親子物語が好きだ

・『FF14』を知っていて家族物語、親子物語が嫌いではない

・オンラインゲームものが好きで、家族物語、親子物語が嫌いではない

 逆に言えば、この作品のメインターゲットは家族物語や親子物語が好きな層であり、オンラインゲーマー、『FF14』ゲーマーでは必ずしもない、とも言える。家族物語や親子物語が好きなあなたにこそ見て欲しい作品なのだ

 

感想編

 さてここからは私の感想を話そうと思う。

 実にいい映画だった。最後は泣いてしまった。

 親子関係と言うのは難しい。親も子もお互いどうアプローチしていいか分からないものだ。なにせ家族とは言いつつ、血の繋がりがある以外は他人と変わらない存在だ。お互いのことが分からないのは、当たり前と言えば当たり前のことなのだ。けれど家族という存在は、生まれてきてからこれまでの関係性、時間の積み重ねの中で特別な存在である。突然相手のことが分からなくなった時、分かりあいたくなるのは当たり前のことだと言っても良い。もちろんこれには一長一短はあり、どうしても分かり合えない話を分かり合おうとする結果、否定に繋がるようなことさえあり得る。

 この物語の主人公は、ゲームを通して見事に父と和解する。父はゲームをとても楽しんでいることは視聴者からも主人公からも明らかだが、それが息子との和解に繋がるのかは、種明かしをしてみるまで分からない。視聴者と主人公はほとんど同じ視点にいて、最後の種明かしを受け入れてもらえるのかをドキドキしながら、二人の冒険を眺める事になる。

 過去の父を思い出すようなイベントが唐突感なく綺麗に挟まり、ゲーム内でもうまく活用されて、二人の友情を結ぶ事に繋がる。

 全てピースがぴったりと一つの絵に結びついていく、上手い物語の特徴だが、この作品はまさにその言葉に相応しい。最初からラストシーンまで一切の無駄がない。総集編ではなく再構成した賜物だと言っていいだろう。元が悪いなんてことは決してないが、見たときのとっつきやすさは格段に上がったと断言出来る。

 これを見終えたら、次は是非、ドラマ版か書籍版に手を出して欲しい。そこには劇場版とは違う、一つのリアルがある。誓って言うが、劇場版がリアルではない、と言うことではない。ただ、劇場版から削り落とされてしまった、事実のかけらがそこにある、と言うだけの話だ。

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 オンラインパートも良く出来ていて、違和感を覚える点はほとんどない。ごく僅かに思ったことと言うと、

・お父さん最初からエモート*4に慣れすぎでは?

・お父さんが2.0クリア後にしかもらえないはずのヒルディブランドエモートをなぜ使えているのか

 といったエモートの部分くらいである。これはもう、物語の見栄えを重視したと言うことだろう。エンターテイメント性を重視した誇張の一部として普通に受け入れられる。これがもしなければそちらの方が結果的に「面白くなかった」と思ってしまいそうだ。要は粗探しですらない程度の疑問点にすぎない。

 

 疑問点で言うと、最終目標について「え、なんでツインタニアなんだ? 心残りは暗闇の雲なんだから、クリスタルタワー*5に挑めばいいのに」と思ったくらい。ただ、クリスタルタワーは大人数での攻略になるアライアンスレイドで、個人が生えないし、ツインタニアほどは強敵ではないし、なにより、息子と名乗ってもないのに不自然、と言うのがあるのだろう。シナリオ上は明らかにクリスタルタワーを意識した演出があるので、考慮はされているのだと思う。きっとエンディングの後、挑んだに違いない、と勝手に思っている。

 

 

おまけ:『FF14』を始めたくなったあなたに

 さて、この映画を見ると『FF14』をやりたくなる。既プレイの私もそうだったし、未プレイの友人もそうだった。そこで、簡単にプレイの案内をしようと思う。

 まずは何で遊ぶかを決める必要がある。パソコン、PS4が選択肢となる。ベストは高スペックのパソコンだろうが、これをもっているような層がこのおまけを読むほど知識がないとは思えないので、PS4を選ぶ事になるだろう。既にどちらかを持っているなら話は早い。早速ソフトを購入する。PCもPS4もないなら、PS4を購入しよう。高スペックPCを買うよりは安いのでとりあえず始めたいならそちらをお勧めする。高くついても良いのなら『FF14』のオススメPCを調べて買うと良い。とりあえずここではPS4版について説明するが、PC版についても基本は同じだ。

ソフトは『新生エオルゼア』か『コンプリートパック』のどちらかになるだろう。

 この両者の違いは拡張パックの有無である。拡張パックを導入すると選べる種族とジョブが増え、メインストーリーが増え、レベルキャップ*6が増える。続くか自信がないなら『新生エオルゼア』のみを買って、必要に応じて拡張パックを買い足せば良い。ただし、最終的には『コンプリートパック』の方が経済的ではある。また、最初から『コンプリートパック』買う場合のメリットとしてキャラクター作成時に「アウラ」「ロスガル」「ヴィエラ」と言う種族を選ぶことが出来る、と言うのがある。これらは拡張で追加された種族なので、『新生エオルゼア』のみの場合は選べない、と言うわけだ。このゲームにおいて種族によるステータス差はほぼないので、見た目で選んで良い。アウラは頭部の側面にツノ、お尻に尻尾生えた種族、ロスガルは獣人、ヴィエラは兎耳、の種族だ。興味があれば見た目を調べてみて、自分のキャラクターの種族をそれにしたいと思ったら『コンプリートパック』の方を買うことをお勧めする。ちなみに私はアウラになるためだけに『コンプリートパック』を買ったと言っても過言ではない。

  あとはもし持っていないなら、キーボードを購入しておくと良いだろう。映画中でもあったが、PS4版はキーボードがないとチャットが難しい。(一応、タッチパッドからチャット画面に入り、ソフトフェアキーボード、という方法はあるが、使いにくいので)

 ソロプレイオンリーのつもりでも、ゲーム中ではコンテンツファインダーというランダムマッチング式のコンテンツを遊ぶ機会はきっとあるはずだ。その中で会話が必要になる場面がきっとある。少なくとも私はキーボードがなくて苦労した。

 

 これを読んだあなたが良いエオルゼアライフを過ごすことを祈って。

*1:光のお父さん』の原作者、マイディ氏のブログ。『光のお父さん』の原作もここに掲載されていた記事である

*2:これまでに何度か軽い気持ちで他の方のブログを紹介し、その方に記事を見られたりしているので結構今更な話ではある

*3:うまく見てもらえればPV二倍では!? と言う本音は伏せる。こういう企みは大体うまくいかない

*4:表情の変更や身振り手振りなどのアクション

*5:『FF3』の最終ダンジョンと同名の『FF14』におけるコンテンツで、最終ボスも『FF3』と同じく暗闇の雲

*6:レベルの上限のこと、『新生エオルゼア』のみの場合50まで、最新の拡張までが入っていると80まで

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