おそらくほとんどの方、こちらでは初めまして。
逆にはじめましてじゃないよ、という方は注意してください。本記事は『拡張少女系トライナリー』というスマートフォンアプリに関わる重要なネタバレが含まれる記事です。『拡張少女系トライナリー』をまだ遊んでいない方、遊んでいてもまだアニメの最終話まで進んでいない方は、お手数ですがここでブラウザバックをお願いします。
もちろん、まだ遊んでいない方は今すぐにでもアプリをダウンロードして遊んでいただければ幸いです。きっと、損はさせないと思います。
さて、ネタバレ記事が運悪く目に入ってしまわないように、最初にいくつか余談を離しておきましょう。
記事は、公開されてすぐに読まれてる方なら分かるかと思いますが、アニメを最終話を迎え、私は発端をよく知らないのですが、始まった自分の軸のお話のそしてその中で考えたことについての随想録であり、回顧録であり、そのようなものであります。
私はトライナリーの中で、そしてあの"世界"の中で、卯月神楽が好きです。いえ、大好きです。ですが、彼女への愛についてはできるだけ本記事では語らないようにしたいと思います。もちろん、判断の基準として彼女への愛があった時にはそれは触れさせていただきますけれど。
本記事はできうる限り私の本心をここに記していきます。ですが、私の彼女への愛はおおよそ人に簡単にお聞かせできるような清いものではありません。この記事を読むにあたり、無駄にハードルを増やしたくはありませんでしたので、自主的に自嘲させていただく次第であります。
あ、注意といえばもう一つ。物書きとしては情けない話ですが、プロットも何もなしに思いつくままに綴ります。まさしく駄文になるかと思いますので、お付き合いいただける方だけ、読み進めてください。
さて、そろそろよろしいでしょうか。それでは、お付き合いいただくことを決めてくださった皆様のお時間を、少し頂戴いたします。
トライナリーはご存知の通り、千羽鶴からの接続によって話が始まります。サージュを知る者からすると、割と、そこまで引っかからない入り。別の世界へつながった端末の向こうから別の世界の誰かが話しかけてくる、それだけです。
まずこの時点で、私は千羽鶴を単なるAIだと考えています。よくよく考えると「本当につながった」とか、AIではおかしい発言なんですが、当時は思い当たりませんでした。
ご存知かもしれませんが、私は当時はギャヴィ推しでした。もちろん、今も好きです。かわいいですよね、本当に魅力にあふれたキャラです。みやびさんにアーヤ、逢瀬さんに卯月さん、これから先、他のみんなの魅力に触れ、みんな大好きになっていくわけですが。と、本筋とは関係ないのですが、一応、そんな過去の話にも触れつつ、話を進めます。
千羽鶴に対する印象はさっそく、記録映像に登場したことで変化します。「なるほど、こいつ単なるAIじゃないな」というわけですね。
しかしまぁ、TRI-OSがなんなのかは分かりませんが、少なくともこの千羽鶴が私のあの世界での生殺与奪権を握っているのには違いありません。彼女の方は目的を特に何も言ってこないし、ひとまずは従うしかないか、と考えていました。
さて、情報が出ていくうちに、私はなるほど、千羽鶴がこのTRI-OSを必ずしも握っているわけではないのだな、と分かりました。TRI-OSに関する不信感を示す発言等ですね。
卯月神楽への想いが強まり、神楽派に転向したのもこのころでしょうか。ご存知かもしれませんが、決め手はAct2のepisode5です。どんな話だったか思い出したいようであれば、こちらのツイートを参照ください。
さて、これを機会に私は逢瀬さんのストーリーも追うようになりました。そして、すぐに他の二人のストーリーも追うことになります。厳密に言えば、全員Act1のepisode1はクリアしてたんですけどね。
卯月さんは何か問題を抱えているようです。私はそれが何かは分かりません。きっと、彼女のチャンネルが開かれれば分かるのでしょう、あるいは分かった時に開かれるのでしょう、私は後者が有説かな、と思いながら進めていました。千羽鶴もチャンネルがつながらないことには理由があると言っていましたし。卯月さんへのチャンネルも千羽鶴の協力がなければどうしようもなさそうです。なにより先に進まなければ、卯月さんの問題に触れることすらかないません。この時点では彼女の方針にもあまり違和感を抱いていないので、特にそこに疑問は抱いていません。
千羽鶴への不信がついに首をもたげます。「逢瀬つばめを壊して」です。
これが概念的な何かなのは分かります。殺せではなく壊せと言っているのですから。千羽鶴が人をモノ扱いするタイプであればまた別ですが、そういうタイプとは少なくとも私は認識していませんでした。
卯月神楽が逢瀬つばめを壊すことに非協力的なのは明らかです。この時点で、私は千羽鶴に対し、明確に不信感を抱き、選択肢に対しても慎重なスタンスを取るようになります。
そのあと、千羽鶴から説明を受ける機会を得られることになります。……が、明らかに卯月神楽の関連する質問については明確な答えが得られないようになっていました。不信感は残ります。
そして、バタフライエフェクト。少なくとも私はあの時の彼女の態度から、彼女なりの必死さを感じました。私は、必死な人間が好きです。そこには何かしらの理念がある。それが善きものか悪しきものかは、分かりませんが。どちらにせよ、そういう人間は好きなのです。そういう人間が「今は話せない」というのだから、なるほど、これはどうやっても話を聞きだすのは無理だ。聞き出すには状況をとにかく進めるしかない、と理解します。
とはいえ、あの時の私はとても冷静ではありませんでした。その理由は語るまでもないと思いますが。卯月さんの件です。千羽鶴自体には好感はもてる、しかしそれはそれ、卯月さんをどうするつもりだ、と。つまり私の中では、千羽鶴に対する信頼したいという気持ちで、卯月さんを想う結果として生じる不信感がせめぎあっている状態が発生します。これは、かなり長く続くことになります。というより、千羽鶴からの最後の質問(シン・カグラ)まで、この状態は続きます。
……少し話はそれますが、私が千羽鶴に強い不信感を抱かなかった一つの理由として、彼女の心の采配について特に違和感がなかったというのもあるかもしれません。
さて、"彼ら"の話が登場します。これは来たな、と思いました。彼女がついに自分の必死さの理由を明かしてくれるのです。ところが、それは叶いませんでした。
エリカの介入です。率直に言います。私は最初こそ「こーんこん」にかなりほだされましたが、最初から彼女には不信感しか抱いていませんでした。タイミングが良すぎること、一方的すぎること、何より……その見た目の声と話し方、「分かってやってるのでは」とすら思いました。トライナリーはトライナリーで完結するはず、と思いつつもです。
ともかく、エリカによって私は当時もっとも一番欲しかった情報を得られなかったことになります。時間を言い訳に逃れるのも千羽鶴と同じ。これは私の主観に過ぎませんが、彼女からは千羽鶴ほどの必死さを感じなかったのもあるかもしれません。(意見を見てるとエリカから必死さを感じた人もいるようなので、やはりそこは感性の問題ですかね)
とはいえ、少し千羽鶴への不信感も植え付けられます。選択肢です。逆にこれはエリカによって解決しました。まぁ解決する頃にはエリカのことを信用するようにはなっていましたが。
しかし、私はエリカの目的には必ずしも賛同できませんでした。「とりあえず現状維持」といった風に聞こえたからです。現状維持には賛成です。ですが、千羽鶴は彼女也の理念で動いている。ならばそれに対するアンチテーゼもまたそれなりの理念が必要です。
アンチテーゼと当たり前のように言いました。これを読んでいる皆さんなら分かることと思います。あるいは、反といわないと分からないかもしれません。私はヘーゲルの弁証法が好きで、考え方の基本の一つにしています。この時点ではまさか本編に絡んでくるとは思ってなかったのですが、私は一応この時点で、図らずもこの世界の大きな仕組み(?)の一つを利用した考え方をしていました。
そして、ついに千羽鶴から爆弾発言が飛び出します。「発症させてほしい」です。当初の私のスタンスは知っての通りです。「発症は支持しない」。それは彼女の意思に反している。千羽鶴はよく最大幸福、と口にします。私はこれを、功利主義のベンサムの「最大多数の最大幸福」だと解釈していました。となれば、トライナリーは最大幸福の犠牲、と解釈されます。彼女が理想社会を作るのは、この時点では肯定も否定もできませんでしたが、彼女たちを犠牲にする選択は許容できません。なお、発症自体には肯定的な考えも少しありました。発症し解決するというのはコスモスフィアで言うところのパラダイムシフトのようなものだと思うのです。であるならば、必ずしも発症は悪ではないはずです。私が拒否したのは「魂だけになる」という部分でした。
しかし、ご存知の通り、私はソイルトンを利用し、巻き戻しを図りました。発症を肯定したのです。その決め手は何でしょうか? 統一国家のやばさを改めて再認識したこと、統一国家の存在は卯月神楽の幸福に対し明確に反していたこと、この二つです。まとめると統一国家という一つの理由といえますが。
統一国家は、企業が力を持った国家です。日本は、それに滅ぼされました。企業が力を持つまではいい。資本主義である以上避けられないし、それを追い求めるのは悪ではないでしょう。福祉に携わる者としてすべてを民営化することには反対の立場ですが、それもまぁその国の判断ですから、それは尊重します。民営化自体は戦略として理解できますしね。しかし、彼らは日本を攻撃し、滅ぼしました。勘違いしてほしくないのですが、別に日本に対する愛国心から、というわけではありません。彼らのしたことは、実質帝国主義の再来ではないか、と感じたのです。統一国家が企業が力を持った連合体である以上、それに反対した日本は、企業にとって邪魔な存在です。他では好きに儲けられるのに、日本ではできない。これは、財閥の意向で戦争をした帝国主義となんら変わりません。(より細かく語ると違う点がありますが、今触れた面だけで、ということでひとまずお願いします)そんな国家が存在すること自体、世界の幸福に貢献するとはまず思えません。『孫子』は「力あるものがすべてを収めることで平和にできる」というような思想から生まれたと言いますが、それでも、私は感情的に認められませんでした。
二つ目の理由は簡単です。卯月神楽は千羽鶴ではなく統一国家にこそ苦しめられていた。千羽鶴は好感が持てる相手です、卯月さんは信用していないようですが、千羽鶴が彼女の何かを握る分には、私はそこまで心配していません。一方統一国家は先述の通りまるっきり信用できません。卯月神楽が統一国家の手に落ちるのは絶対に避けねばならない最優先事項です。他の手段がないのなら、私は、千羽鶴の目的に沿うしかないと思いました。一週間の間に、他の方と話すことで、魂になることが必ずしも不幸とは限らないとも思いましたし、統一国家につかまるよりは絶対にいいはずです。そして私は選択しました。お気づきかもしれませんが、この判断に卯月神楽以外の4人は関与していません。私は完全に卯月神楽のことだけを考えて、この選択を行いました。
カレンのセルフクラン問題です。私は千羽鶴が好きです。ちなみに千羽鶴により深い好意を持ったきっかけああえてカットしました。理由は卯月さんについて深く触れないのと同じです。
私は千羽鶴が好きです。しかし、千羽鶴をセルフクランにするのには抵抗がありました。これについてはツイッターでも少し触れました。
私は、逢瀬つばめが好きです。しかし私が好きになったのは、「逢瀬つばめ」という記号ではありません、名前ではありません。その性格であり、有り方であり、低俗ですが見た目であります。千羽鶴が回帰し、元の性格に戻る、というのは私にとっては逢瀬つばめを失うことに等しい。それは避けたかった。それがカレンを肯定した理由です。なにより百鶴が託してきたのです。それを断るのは出来なかった。私はカレンと百鶴なら百鶴が好きです。そして彼女には仕方ないとはいえ倒してしまった負い目もあった。百鶴の提案は断れませんでした。
余談ですが、原初のつばめもかわいいと思います。
長々と益体もない話を続けてきましたが、さて、どうやらここまでくらいですかね。語るべきことは語った気がします。
ここまでの語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。
終わりに、卯月神楽のチャンネルが早く解放されますように。…………私だけに。
さて、では私はイマジナリー神楽と夜語りをしながら、夢の世界へ旅立とうと思います。
本当にお付き合いいただき、ありがとうございました。
2017/12/01 04:43
文責・Merry Amor