知り合いに頼まれて思いの丈をレポートにしたので、せっかくなのでこちらでも公開します。そのうちまとめ直すかもしれないし、直さないかもしれない。
現実世界へ回帰
— Merry Amor(メリーさんのアモル) (@M_Amor000) 2019年10月6日
いや、良い映画だった
バットマンにわかなので、ブログ記事はやめとこと思ってたのに、書きたくなってしまったレベル
一言で言えば、正統派な「ピカレクスロマン」と言う感じです。しかしながら、自称ピカクレスロマンにありがちな、「逃げ」が一切ない。
まず、ジョーカーを美化するのではなく、きちんと主人公がいかにジョーカーになっていくのか、を描いているのが良かったです
一方で、主人公がジョーカーになる過程が丁寧に描かれていて、油断すると、物語ラストになる頃にはジョーカーに感情移入して、ジョーカーがヒーローに見えてしまうかもしれない、というくらいの丁寧さも見事でした。
精神的な障害を抱えているという設定で、それに苦しめられる描写もありますが、「精神障害者だから」悪行をしたのではなく、「精神障害者だから苦しんだ」結果として悪役になっているところも、精神障害者を言い訳に使っていない丁寧さがあります。
これは裏を返せば、主人公の苦しみがある種「リアル」(現実ではあそこまで露骨にはならないでしょうが、そこは映画的誇張)であるということでもあり、序盤の展開は結構見ていて辛い物があります。リンチだとか、陰湿な何かとか、晒し者だとか、そういうのが苦手な人は序盤きつい。
この映画のCMだったか予告だったかで、劇団ひとりさんが「ジョーカーって本当にいるんじゃないかなという思うような」という趣旨の例えをしていました。
見た後の感想としては、これは至極その通りだな、という感じです。それくらい、主人公の苦しみは共感を呼びやすく、それゆえにジョーカーの蛮行は一見正しく見えてしまう。
ジョーカーをヒーローにしなかったことに好感が持てると先ほど言いましたが、一方で「カリスマである」という意味でやはり彼はある種の、虐げられているものたち(これら悪く言えば犯罪者予備軍でもあるわけです、基本的に善良な市民のことのはずですが)のヒーローでもあるのだなぁ、と感じさせる。
俗に言う「スカッとした」と言うやつでしょうか。一片の正しさもないはずなのに、見た人は、あるいは、序盤の展開に覚えがあればあるほど、「良くやった」と思ってしまう。
ともかく現代社会への問題提起性、ピカクレスロマンとしての完成度の高さ、ジョーカーというヴィランを過不足なく描く脚本の良さ。
粗がないとも思いませんでしたが、トータル100点みたいな良い映画です。
バットマン要素はほぼないので、バットマンを知らなくても問題ない(ただ知ってると「おっ」となるようにはできてる)ので、
先に挙げた暴力表現系や陰湿な表現が平気なのであれば絶対に一見の価値がある作品であると思います。
長々とまとまりのない文章を失礼しました。