こんばんは、アモルです。
もうずっと待ちわびていた『劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer』(以下本作)、 ついに本日(2019/07/26)公開、という事で、最寄りの劇場の一番早い上映で早速見てきました。
見に来たよー
— Merry Amor(メリーさんのアモル) (@M_Amor000) 2019年7月25日
無事パンフレットもゲット
ワクワクしてきたぞ pic.twitter.com/RZGKXCxpZr
まだ初日ですし、ネタバレには配慮したいんですが、ちょっと何語ってもネタバレになりそうな本作ですよ。もう開き直ってネタバレ全開で行くっきゃねーな、と、そう思いました。
いや、凄い映画でしたね。ただ、夏映画*1というより冬映画*2っぽかったです。なんというか、設定的に首をかしげる事になるシーンが多かったんですよね。『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』*3は冬映画ながら、夏映画らしさも持つ、と言われてましたが、今回はまさにその逆、という感じがする。ある意味、バランスは同じで、それぞれ、夏映画として見ると、冬映画として見ると、みたいな話なのかもしれませんが。
平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER [DVD]
- 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
- 発売日: 2019/05/08
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る
まぁ、そんな話も含めて、話を振り返っていきます。
物語前半ではクリムと剛を軸とした言うなれば「ドライブ編」を、タイムジャッカーに代わる敵ライダーと織田信長、という要素を加えつつやるという感じでした。
前半の内容を簡単にまとめると、後にクォーツァーと呼ばれる存在だと分かる謎のライダー達の前振り、ソウゴの歴史に対する認識、そして「ライドウォッチの継承」という感じでしたね。
ライダーの前振りについてですが、実は平成20作品以外のライダーには詳しくなくて、ふと前日に思い立ってアマゾンズを見たのですが、丁度、アマゾンズモチーフらしいライダー(仮面ライダーザモナス)が変身時にアマゾンズと同じエフェクトをまとっていたのが印象深かったです。もう一人のライダー(仮面ライダーゾンジス)もエフェクト付きのポーズをしてたし、これもきっと何かのライダーのポーズなんでしょうね。無知な自分が恥ずかしい。もっとライダーへの見識を広げていきたい。ジオウの間に結構色々見たのですが(映画類は見てないものも多かったので)、まだまだ足りてないんだなぁと実感しました。
そんな余談はともかく、歴史認識の話は後半に効いてくる、良い前振りでしたね。この辺りの問題は登場人物がどう整理つけるかがかなり大事なので、後半の展開のために、全く関係ないエピソードでこうやって整理をつけさせるのは良いなと思いましたね。視聴者としても受け入れやすい。
そして「ライドウォッチの継承」。本編2話からして不穏な要素を孕んでいたこの行為、物語が進むにつれて描かれなくなっていたんですよね。それが再び鎌首をもたげる。突如クリムは消え、剛は記憶を失う。
そして、継承は全て完了し、物語は一気に後半に流れ込むわけですが。
ただ、あの十字架はなんだったの? という疑問が残っている。あれ、結局奪い返せてないですよね。それに過去でしたことにおいて、「盗まれた十字架」が機能した感じでもなかった。何のために十字架を盗んだのか、謎です。十字架に電王のカードみたいなものをかざして、関連する時間に飛ぶ、くらいのことをしてくれると、「あぁ、十字架に関係する時間に行きたかったのか」と納得出来るのですが。視聴したその時は、後半のジェットコースターに巻き込まれて意識から消えてましたが(仮面ライダーはそれが上手いですよねぇ。それも仮面ライダーの良さなのかなと思ったりはします)、ちょっとモヤっとはします。
さて、後半。クォーツァーと、SOUGOが現れ、玉座が奪われる。本編電王編で侑斗が「本当に常盤ソウゴか?」と尋ねていますが、これがその前振りなのか。
そして捕らえられたソウゴですが、剛に助けられます。さて、ここで剛はソウゴにハッパをかけます。これ自体は大変熱いシーンなのですが、ライドウォッチ化して記憶を失い、ソウゴたちに「誰だお前」と言っていたはずの剛が突然、「お前にライドウォッチを渡したのは〜」と言い出すのは、正直違和感しかなくて、見ていて???が頭の中を駆け巡っていました。いや、あそこで誰かがソウゴという個を認めなきゃいけないのは分かるんですよ。そして、その認める人はライドウォッチを渡した人でなければならない。けどライドウォッチを渡した人は記憶がなくなる。構造的な問題です。ただ、敢えて言うなら、「じゃそこはディケイドにでもやらせれば良かったのでは??」とか思ってしまいます。いや、あそこでディケイドが出てくるのはおかしいんですけど(何より剛がドライブ編のためだけの存在になってしまうし)、けど、いきなり理屈抜きで語り出されると、私としては疑問が先に出てしまった。これも、さっきの十字架の件みたいに「おお、熱い」でノレれば、万事オッケーだったんですけどね。私としては厳しかった。ってか、なんなら、エールならノリダーから受け取ってるのでそこはむしろなしでも良かったのでは、とか。「話はよくわかんねーけど」くらいのノリで剛が「もし俺が大事なものを渡したとしたら〜」くらいの感じで語ってくれても良かったはずだし。まぁ尺の都合もあったんでしょうけどね。この話はこれくらいで、次行きましょう。
さて、そうして再起したソウゴはSOUGOから自身の目的を知らされる。全て違う世界の物語である平成ライダーという構図をうまく使った魔王らしい野望です。今にして思えば、後半で「作品の延長線上としてレジェンドが現れ、真に完結する(ブレイド編や響鬼編)」という流れは、このためか! という気がしなくもないですね。
しかし、ソウゴはそれを否定し、SOUGOに挑みます。SOUGOの変身する仮面ライダーバールクスの剣が光るエフェクトは完全にリボルケインで笑ってしまった。(最終決戦に至っては「リボルケイン!」って言いながら抜刀してた気もするけど、「リボル剣」だったのかな。剣だったし、そうも聞こえた)けど、なにせRXは未だに最強と言われていたりいなかったりしますしね、強い敵としてはふさわしい感じがします。
平成ライダーを否定するものなので、平成ライダーの能力が効かない、というのも面白かったですね。ソウゴのグランドジオウの1番の強みを殺す特徴で、SOUGOの主張とも合致している、面白い設定でした。
しかしソウゴは負け、「平成のリセット」に引き込まれていきます。諦めかけたその時、ソウゴは自身の過去、あのオーマの日を目撃したのよりもっともっと前の過去を目にします。そして、オーマジオウからのエールを受け取り、オーマフォームとして再臨する。いやぁ、美しい。さっきから映画の粗をつついてばかりですが、涙もろい私はこのシーンでボロッボロに泣きました。めっちゃ泣きました。実際には「あれ? やっぱりオーマジオウは未来の自分なのか。じゃあ最低最悪の魔王はあくまでソウゴなのか??」などと考えましたが、本当にそんなことより泣いてました。
そして蘇る平成ライダー達。剛もそれに合わせて変身し、そして、様々な媒体からもあらゆる「平成」のライダーが現れる。舞台のポスターからは斬月カチドキアームズ、スマートフォンからはゴライダー、そして漫画からはまさかの漫画版クウガ!(これ一番驚いた。「正眼の構え」をはじめとした漫画版のセリフでしたね、ちゃんと。当たり前だけど) ってか、漫画版クウガ、セリフで動きを止めるな、デッドプールか、お前は。
もう、文字通り「平成」の全てがここに集まっている。クォーツァーのライダーについて触れるときに軽く触れましたが、「平成」のライダーは平成ライダー20作品に限られないんですよね。そして、クォーツァーが代わりとして登場したアマゾンズやRXだけでさえない。もうこれは本当に冬映画より豪華な冬映画ですよ。
ところで今にして思うと、このシーンは「『平成FOEVER』の世界が元で、そこにクォーツァーが仮面ライダーを呼ぶことで、全てが一つの世界であるかのように見せかけていた」という事の示唆なのでしょうか?(本当は一つの世界ではないことは、カブト編で示唆されていますしね) だとしたら、FOEVERの世界の謎も解けてしまう事になりますが。この辺は多分明確な答えは出ないかな。
そして、もうここからは本当に冬映画のごときジェットコースターですね。20ライダーによるライダーキック、そして、平成の文字に切り抜かれる青い板。
ちょっとギャグすぎる気もしましたが、なんとなくあのシーンはジーンと来ました。まさにあれは平成の終わり、なんですね。
そして、ツクヨミとゲイツとの別れ。この辺もオーマジオウという存在への謎が残ったままなので、残念ですが、本編で描かれる可能性もあるので、まだ分かりませんね。
で、さらっと再会。ウォズまでいる。陳腐といえば陳腐ですが、ジオウらしいいい終わり方でした。
そしてゼロワン。トリかっこいいですね。本編が始まれば他のフォームも見れるのかなぁ、と思うと楽しみです。ところで、変身方法、ベルトにかざすのは電王風、横からベルトに差し込むのはゼロノス風で、『電王』っぽいですよね。まぁそれだけの余談なんですけど。
まとめると、平成を総括する大変熱いいい映画で、見た後の感想は「とても良かった」だけど、考えだすと粗が結構見えてしまう。という感じです。仮面ライダーファンで見ない人はいないと思いますし、そもそもいたら、この記事を見てないとは思いますが。見てください。いやマジで。見てください。